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祖父からの贈る言葉

言葉のチカラ

先日、母から一通の手紙を受け取りました。およそ30年前、中学校卒業を迎えた私に向けて祖父が書いてくれた手紙です。無くさないようにと、母が大事に保管してくれていたとのこと。当時、同じ家に同居をしていながら私から積極的に祖父母と話をする機会を持たなかったことが悔やまれますが、30年の時を超えて祖父からの愛を感じることができました。
ありがたいことに、古くから私を信頼してくれる友人がいます。また、同時期に開業して本気で私の事を心配してくれる様な新たな友人もいます。周りの方々と支え合いながら、一歩一歩私の道を進んでいきます。

祖父からの贈る言葉(1頁目)

祖父からの贈る言葉(2頁目)

「贈る 言葉」

俊介 君へ    祖父 安宏より
希望の高等学校へ入学できたことをお祝いいたします。そして更なる躍進を期待します。この日までしてきた努力は君の将来に立派な勲章となるでしょう。

やれ打つな蠅が手をする足をする     小林一茶

朝顔につるべ取られて貰い水       加賀の千代

この二つの俳句は江戸時代に作られたものですが現代の世の中にも又世界的にもヒューマニティの高い人類を超えた作として有名な句です。ユーモラスな表現の中に心暖まる思いがこもっております。
この二つの俳句の中に込められた崇高な愛情は今の君には理解することは難しいことだと思いますが、君が大人になるにしたがって段々と分かってくれることと思います。
更に次の言葉も今は理解し得なくとも君が社会の荒波に揉まれていくうちに理解できることとして書き残しておきます。

箱根山、籠に乗る人、担ぐ人、その又算鞋を作る人     作者不明

袖に涙の掛かるとき人の心の奥ぞ知らるる         作者不明

この二つの言葉は君の曾祖父中村家十二代当主安久理即ち私(祖父)の父に当たる人が良く私に聞かしてくれた言葉です。
最初の言葉は上を見れば切がなく、下を見ればこれ又切がなく人間は中道を歩めと言う教えです。立身出世、栄達を望まず自分に与えられた身分を守り一歩一歩確実に歩けと言うことだと私は理解しております。
次の言葉は自分が順調に歩んでいるときは分からないことも不過に陥ったときに周囲の人々はどのような態度で接してくれるであろうか、その時に初めて人の心の奥が分かると言う求めです。これらの言葉は人間の心の心理を突いたことであると、これから永い人生を歩む君に段々と理解されてくることでしょう。

更に私(祖父)からの言葉としては

『沢山の友人を作れ』

と言うことです。その友人の中には清さ心を持った人も悪しき心を持った人もいるかも知れません、それらの人々の心を併せ飲む心掛けが必要です。
これを『清潤併せ持つ心』と言いますが、この中から本当の友人を求めて切磋琢磨してください。
多くのそして自分が心から許せる友を持つことは巨万の富や栄誉を得るより得難いことです。巨万の富や栄誉は自己満足でしか在りません。自分だけが成功して世の中にいかに持て囃されようとその陰には数多くの人を泣かせることが多くあります。 心と心の触れ合いこそが人間の真実だと私は思っております。
色々な言葉を述べましたが君が私の残した言葉が正しかったと理解できたら私は君に『贈る言葉』としてこんなに嬉しく思うことはないでしょう。
しかしその時には私はこの世の中にいないでしょうが君の人間形成に役立つ事と信じています。 君がいかに世の中の人々の役に立つ人間になれるかを考えてください。そして常に愛情のある人であることを⋯⋯
中村 俊介 君 の将来に栄光あれ!!!!

March.10.1994

中学校の卒業式の日に未来に羽ばたく君の為に贈る。

Boys,be Ambitious!!

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