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12.312025
「相続財産調査」とは?漏れなく確認するためのチェックリスト

相続手続きで最初につまずきやすいのが、「相続財産がどこまであるのか分からない」「後から財産が見つかってやり直しになる」といった 相続財産調査の漏れ です。
財産の漏れがあると、遺産分割の話し合いが長引いたり、手続きの再提出が必要になったりして、ご家族の負担が増える原因になります。
相続財産調査とは、故人(被相続人)が残した財産や負債について、種類ごとに資料を集め、一覧化し、抜けや重複がないか確認する作業 をいいます。預貯金や不動産だけでなく、保険、証券、車、貴金属、借入金、保証債務、そして最近ではネット銀行や各種オンラインサービスなど、調査対象は広がっています。
この記事では、「何を」「どの順番で」「どの資料を手がかりに」確認していけば良いかを整理し、漏れを減らすためのチェックリストの考え方を紹介します。専門家へ相談するか迷っている方にとっても、現状整理の土台になる内容を目指します。
相続財産調査が重要な理由
相続財産調査が不十分なまま手続きを進めると、次のような困りごとが起きやすくなります。
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後から口座や不動産が見つかり、書類や合意の取り直しが必要になる
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財産と負債の全体像が分からず、判断が先送りになる
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手続きが長期化し、相続人の心理的負担が増える
だからこそ、最初の段階で 「全体像を把握するための棚卸し」 を行い、見落としを減らすことが大切です。
漏れを防ぐための基本方針(調査の順番)
相続財産調査は、いきなり金融機関へ行くよりも、次の順で進めると整理しやすくなります。
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相続人の確認に必要な戸籍等の整理(誰が関係者かを確定する土台)
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手がかり集め(郵便物、通帳、スマホ、契約書、確定申告書類など)
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財産の種類ごとの確認(預貯金・不動産・保険・証券・負債・動産・デジタル関連)
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一覧表の作成(「何が」「どこに」「どの資料で確認できるか」を見える化)
※なお、相続放棄など期限が関係する判断が視野に入る場合は、早めに専門家へ相談して進め方を整理することが安全です(個別事情で対応が変わります)。
相続財産調査チェックリスト(漏れやすい順)
以下は、実務で漏れが出やすい項目を含めたチェックリストです。
「ある/ない/不明」をまず付け、根拠資料(通帳・郵便物・契約書など)もセットで管理すると、後戻りが減ります。
1)預貯金・金融資産
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銀行口座(普通・定期)
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ゆうちょ、信用金庫、ネット銀行
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証券口座(株式・投資信託)
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NISA口座の有無
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貸金庫の利用有無
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休眠口座の可能性(古い通帳・郵便物)
手がかり:通帳、キャッシュカード、金融機関の郵送物、スマホの銀行アプリ、確定申告書類 など
2)不動産
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自宅・土地・マンション・駐車場
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共有名義になっていないか
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抵当権などの担保設定が残っていないか
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賃貸に出している物件の有無
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未登記建物の可能性(古い家屋など)
手がかり:固定資産税の通知書、登記事項証明書、売買契約書、賃貸借契約書 など
3)保険・共済
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生命保険(受取人の指定)
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医療保険・傷害保険
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共済(県民共済、JA共済など)
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団体保険(勤務先・団体加入)
手がかり:保険証券、保険会社からの郵送物、通帳の保険料引落 など
4)負債・債務
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住宅ローン・カードローン
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クレジットカードの未払
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連帯保証・保証人になっている可能性
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未払いの税金・公共料金
手がかり:契約書、返済予定表、カード利用明細、督促状、信用情報の手がかり など
5)動産・その他
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車・バイク
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貴金属・骨董・美術品
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事業用の機械・在庫(事業をしていた場合)
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会員権・ポイント・マイル
手がかり:車検証、購入証明、保管場所、会員証・アプリ など
6)デジタル関連(近年増えた見落とし)
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ネット銀行・ネット証券
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暗号資産(取引所口座)
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サブスク契約(解約漏れによる費用発生)
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写真・データ・クラウド、SNS
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電子マネー・決済アプリ
手がかり:スマホ、メール、パスワード管理アプリ、決済履歴、本人のメモ など
※アクセスや解除は、各サービスの規約や権限に沿って慎重に行う必要があります。
進め方のコツ(実務で効く3つ)
コツ1:一覧表(台帳)を最初に作る
「財産の種類/保管場所/確認資料/状況(済・未・不明)」だけでも表にすると、調査が前に進みます。
コツ2:郵便物と通帳の“引落し”を徹底的に見る
保険、サブスク、ローンなどは、郵便物か口座引落しに痕跡が残りやすいです。
コツ3:「不明」を放置しない
不明が残ったまま次へ進むと、後で高確率で手戻りになります。
不明は「追加で確認する資料」と「確認先」を決めて、タスク化するのが安全です。
まとめ|相続財産調査は「漏れなく一覧化」がゴール
相続財産調査は、相続手続きをスムーズに進めるための土台です。
預貯金・不動産・保険・負債・動産・デジタル関連まで視野に入れて、手がかり → 種類別チェック → 一覧化の順で進めると漏れを減らせます。
「どこから手を付ければいいか分からない」「資料が散らばっていて整理できない」という場合は、まずはチェックリストで現状を可視化し、必要に応じて専門家へ相談して進め方を整えるのがおすすめです。


